あるところに『Aさん』という人がいました。
Aさんは、こう言いました。
『私は、いろいろな事を考えるスピードが遅くて、物忘れも多いです。』
『忘れても、大して問題にならない事なら気にしませんが、大切な事はメモしておかないといけません。』
『私に頼み事がある時は、必ずメモしてください。メモしてあることは、必ずその通りにやります。書いてない事はやりません。』
『その際、たとえ毎日メモしてある事でも、その日にメモしてなければ、その日はやりません。書き忘れかな?と思うかもしれませんが、そうではないかもしれないし、他の人なら気を使って融通をきかせるような事でも、私は、そういうことが出来ないんです。だから、大切なポイントがあったら、必ず書き添えてくださいね。』
(補足)Aさんは、慣れた事なら、人並み以上に早く正確に行える人でもあります。
Aさんは “能力の高い人” だと、私は思います。
先述した通り、
Aさんは、ご自身の能力(思考の特徴など)を自覚された上で、
大きな問題(特に他者との関係において)が起きないように、周囲に対しても前もって注意喚起をしてらっしゃるからです。
逆に言えば、
私なら、絶対に間違いがあってはいけないような大切な事を、Aさんには頼みません。
(Aさんに限らず、他者には頼みません)
だれが見ても確実に遂行できるような『説明書き』を書くことは、非常に難しいことだと思います。
Aさんに対して『それぐらい言わなくても分かると思って・・・』という考えは通用しません。
『他の人なら気を使って融通をきかせるような事でも、私は、そういうことが出来ないんです。』と、
ちゃんと説明されていますから。