股関節やヒザ関節に障害をもった人が、
その痛みのために(痛い場所をかばうために)、『不自然な姿勢や歩行』をしたとします。
その生活が長いほど、不自然な姿勢は体に馴染み、
その人にとって『もっとも楽な姿勢』となります。
その一つが『側弯(そくわん)』であり、この場合の『側弯』は生まれ持った背骨の形状ではありません。
『人工関節』の手術を受け、少なくても『痛み』からは解放され、
それでもなお、『側弯』や『跛行(はこう)』がみられるのは、先に述べたように、
痛みを避けるための『姿勢』や『動き』が、いつしか体幹の周囲の構造(筋肉の発達と衰退)を変化させた結果であり、
それを『自然に元に戻す』ためには、変化にかかった時間と同じだけの時間を『意識的に』過ごさなくてはなりません。
もちろん世の中には、改善のための大きな手助けとなる『技術』や『理論』が存在するのでしょう、
それでも、それを選択するのは当人であり、
そして人を後押しするものは、『治す(直す)理由』であると思うのです。
『整形(外科)で行き会ってた100歳近いあの人、いつも治らん治らんて言ってるうちに死んでまった』
という話を聞いて思ったことです。