曇りのない眼(まなこ)

『合気道』復刻版(植芝盛平監修 植芝吉祥丸著)、けっこう有名な本です、ひさしぶりに(10年ぶりぐらい)読みました。

合気道1

合気道2

画像のご老人は、合気道の開祖である植芝盛平(うえしば もりへい)さんです。

数多くの超人的な逸話が語られるお方です。

また、一見すると神秘的とも思える技の演武や、宗教家としての側面ゆえに、批判の的となる人物でもあります。

私は、合気道そのものを習ったことはありませんが、植芝盛平氏のことは大好きです。

いわゆる『アンチ』の人が嫌うであろうエピソードはいろいろありますが、

その中でも特に、自分なりの考えをもっている事についてお話しします。

そもそも、この話の出典が定かではないのですが・・(上記の本ではありませんでした)

数人の人間(警察官か軍人)に25メートルほど離れた場所から、銃で自分(植芝氏)のことを狙わせ、一斉に狙撃させたというのです。

その結末ですが、

狙撃手いわく『気が付くと、(植芝氏が)自分たちの後ろに立っていた』ということです。

このエピソードについて、おそらく最も多い解釈としては『複数の弾丸をよけ、25メートルを一瞬で移動した』ということでしょうけど、

しかし、そのようなことは、どこにも書いてないのです、『気が付くと、自分たちの後ろに立っていた』という証言のみだと思われます。そして、この証言がカギを握っていると思うんです。

人間て、何かを見ているつもりでも『見れていない』ことが多々あると思います。

たとえば、すぐ目の前で遊んでいた子供を『気が付いたら』見失って、迷子になっていたり、

数人で話をしていても、その中の誰かが『いつのまにか』トイレに行っていたことに気づかなかったり、

テレビを見ていながら、内容を覚えていなかったり・・・

うまく言えないんですけど、『見る』とい行為は、実際はすごくあやふやな事なんだと思います。

たとえ複数の人間が一つの標的を凝視している状態でも、一人一人の人間は『見ているつもり』に過ぎず、

衆人環視のなかで、その中心にいる人間を見失うことだって起こり得るんですよね、

『あれ!?あの人どこいった?・・・だれか見てなかったの?』みたいな感じです。

そして、そのような『人間の心理と行動のスキ』を絶妙なタイミングで突くことなら十分に可能な話だと思います。(ステージで行われるトリックにも通じる話です)

だから植芝盛平氏は、発射された弾丸を避けたわけでもなく、25メートルを『一瞬で』移動したわけでもなく、

ただ『そこにいた全ての人間のスキをついて行動した』というのが真実なのではないでしょうか。

更に言うと、そういう行動を自然に行えるのが、この方の『能力』なのではないかと思います。(もちろん人並み以上の身体能力だってあるでしょうけど)

 

※以前、空手の試合を観戦していたとき、ある選手が(おそらく)攻撃を仕掛けようとした瞬間、外で爆発音のような音がして、その直後、その選手がつんのめって転んだところを見たことがありますが、

見方を変えれば、その『音』を出した張本人は(誰かは知りませんが)、『離れた場所から、手を触れずに、空手家を転倒させた』ということです。

Twitterはこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です